「蠍」というのは12サインの象徴の中では一番怖いイメージのある生き物で、尾にある毒針に刺されると死んでしまう、または死ぬほど苦しむという話が神話でも出てきます。
人は辛い体験をしたり、ひどい仕打ちを受けると心の奥底に「毒」を抱えてしまうことがあります。
心の毒というのは自分の内面を蝕むだけではなく、人に向けられる事もあります。
自分や周囲を傷つける病的なパターンが、世代を超えて親から子へと受け継がれることも珍しくありません。
蠍座の天体の「成長の方向性」の一つは、こうした「内面の毒」の認識と克服にあるのではないかと考えます。
冥王星や8ハウスと共鳴する蠍座は、「死と再生」「傷と癒やし」という両側面を持つサインです。心理学とも縁が深いサインですね。
占星術の昔の本で「Astrology, Karma and Transformation(占星術、カルマと変容)」という名著があるのですが、著者のStephen Arroyoが「蠍座、魚座と乙女座には特に課せられた業(カルマ)を感じる」という風な事を書いていたのが印象的でした。
誰の心にも深く複雑な感情が存在し、時には持て余してしまうこともあるでしょう。出生図で冥王星や蠍座の天体が強調されている場合、この心の深い層に踏み込むことが必要とされることがよくあります。
心の中の、入りこみたくない部分に勇気を持って踏み込むことで、深い洞察や変化に繋がることもあれば、それを避けてしまうことで、「外側の世界」に嫌悪や恐怖が投影されてしまうこともあります。
占星術の象徴は多くの場合「外の世界」との関わり合いによって表現されるのですが、同時に「内側の世界」つまり心理的に解決されるべき問題も暗示しています。
今回のポッドキャストでは蠍座の内外の成長の方向性を様々な角度から探っています。
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