さそり座の月

蠍座の月:深く重要な存在となる欲求

もくじ

    さそり座の月の欲求

    蠍座の月は「動じず、深く、重要で、自給能力を持ち、頼りになる、正しい人と思われたい欲求」を表すと言います。常に冷静で力強い印象を与えるさそり座の月ですが、水のサインに共通の「情緒面における充足」を求める気持ちは人一倍強いと言えます。

     

    蠍座の月:深い感情の自制

    「水の不動サイン」である蠍座の月には、「深海」のイメージが適しています。激しい波と海流の動きが目立つ海の表層とは対照的に、太陽の光の届かない深海層において、海流は非常にゆっくりとした速さでしか動かないそうです。

    人の心理の奥底にも、時には暗く、時には重い感情が存在します。

    愛するものと一体となる欲望。

    人生をコントロールする欲求。

    こうした情緒面の深部にある欲求が満たされない時、人の心にはその失望の強さに呼応した影の感情が生まれます。

    嫉妬心。

    怒り・憎悪。

    支配欲。

    さそり座の月には、人や自分の暗い側面と向き合うことによって深い洞察を身につけていくという成長パターンが多いようです(これは蠍座のその他の天体にも言える事です)。

    さそり座の「動じず冷静」な物腰は、内面に抱く激しい感情を外面に表さずコントロールする必要性から来ています。そうして得た強い自制能力は、非常事態にも動じない落ち着きとなり、周囲からの信頼を集めます。

     

    さそり座の月:支配権・主導権を握る欲求

    蠍座の月は「重要でありたい欲求」を暗示します。これは牡羊座の月の「ナンバーワンでありたい欲求」と似ていますが(両サインとも火星の影響を強く受けています)、蠍座には「支配しコントロールする事」による重要性を求める傾向があります。

    つまり、深く物事を知ることで得られるコントロール。

    状況を誰よりも理解し、対応する能力を備えているからこそ与えられる主導権。

    さそり座の月が満足できる環境を作るためには、「自分がコントロールできる領域」が必要となります。仕事においては、自分が指揮権を握るプロジェクト。結婚生活においては、家庭内で自分に任せられた責任(例:家計の管理)などです。

     

    蠍座の月:強さゆえの落とし穴

    強い自制心と深い見識により力を得るさそり座の月ですが、その有能さ故の落とし穴も存在します。

    例えば、蠍座の月を持つ女性がその力を仕事場で振るう場合、周囲は彼女の強さを受け入れることができるでしょうか。さそり座の持つ有能さと支配的オーラは周囲の反感を買う言動となってあらわれることも考えられます。

    「能ある鷹は爪を隠す」という諺のイメージ通りで、さそり座の月を持つ人が人心を集めるには、人の心を傷つけない礼儀正しい言動が必要不可欠となります。上手に指揮権を握るためには重要なスキルと言えるでしょう。

    さらに、さそり座の自制心と自給能力ゆえに孤独を感じることも考えられます。自分の感情をプライベートに制御する習慣をつけた蠍座の月ですが、情緒面における深いつながりを求める心を持つことに変わりはありません。

    強さ故の孤独に陥らないためには、信頼して弱みを見せられる相手や、正直な感情を打ち明けられる相手の存在が重要になります。

     

    さそり座の月:改善への欲求

    蠍座の月の示唆する欲求の根底は、「自分の人生の舵取りとなること」。他人任せではなく、自分が主導権を握って望む成功をつかむことです。

    この欲求の更に奥に存在するのは、「物事を改善する欲求」です。

    自分だからこそ、この人を助けられる。

    自分だからこそ、この危機的状況を乗り越えられる。

    さそり座の月を持つ人は、こうした自負心を持って自分の周りの世界を変えていくのです。

     

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    Photo: flickr

    新里ひろき
    新里ひろき

    アメリカ・フロリダ州在住の心理占星家。西洋占星術界の重鎮ノエル・ティルに師事。氏の難解で有名なマスターズ占星術認証コースを最優秀の成績で卒業。日本と英語圏の両方で個人セッションとノエルティル流心理占星術の講師として活動中。

    この記事へのコメント

    1. ぺこ より:

      はじめまして、当たって驚きました。心の闇、重ぐるしさを幼少ころより抱いて今日にいたります。
      それがどこからくるのか、支配したい欲望からきてたんですね。人に対しても弱みをみせることを好まなくてどこか含んだような対応をしてしまいます。読みは当たる方です。
      よく「何考えているかわからない」と言われます。
      蠍座は敵に回すとコワイといわれてますが、自覚がありません。時々昔の嫌なことを思い出しては煮えくり返る気持になりますが、この星座の特徴ですか?
      くわしく書いてくださってありがとうございました。

      1. 新里ひろき より:

        ぺこさん コメントありがとうございます。蠍座のテーマの一つに「生まれ変わり」というものがありますが、過去からの怒りや憎しみを認識した上で手放すというプロセスがやがて「生まれ変わった」という感覚を生みます。心を軽くするための課題といえるでしょう。

    2. ちまめ より:

      月が蠍でとても嫌です。冥王星も蠍です。
      人の気持ちに同化したり、ニュースなんかみると感情移入して辛いからみなかったりします。

      太陽水瓶で冥王星と火星に90です。だからか?余計疲れます。
      月蠍を否定的に感じたりします。
      集中力はありがたいなとは思うのですが。
      1人で部屋にこもってやりたい事だけやりたいのですが、子どもがいるので、大きくなるまで、我慢です。

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