牡牛座の月は「あるがまま、もしくはあるべき状態の維持」を求めると言われています。
重たい「土」のエレメント、そして「不動」宮である牡牛座からは重厚なゆっくりさを感じますが、月が牡牛座に位置する場合、そうした性質が「最重要な欲求」に影響します。
牡牛座の月:揺るがない安全を求めて
「あるがままの状態の維持」とは、つまり環境の安泰です。おうし座の月の欲求は、まず物質的・金銭的な安定を重視する傾向にもなり得ます。
知人に、おうし座の月を持つ女性がいます。彼女は30代で既に家のローンを完済し、その「安心感」を基盤に教師としての仕事、子育て、そしてボランティア活動等で活躍しています。
「安泰」と「調和」を望む牡牛の月の欲求は、仕事や人間関係にも強く影響します。
「動じない存在」とみなされ、
「周囲に波風を立てず、上手く付き合っていける人物」と評される事も多いでしょう。
「秩序の維持」を重んじる牡牛座の月の欲求は、優れた管理・行政能力として表現される事もあります。
牡牛座の月と変化への抵抗
「月の高揚」と呼ばれ、古くから好配置であると見なされてきたおうし座の月ですが、ノエル・ティルはこの月の事を「おそらく最も困難な配置である」と語っています。これは何故でしょう?
変化の激しい現代において、「現状・秩序の維持」を最も重んじる人物は、フットワークの鈍さにより出遅れてしまう可能性があります。
変化が必要だと分かっているのに、惰性で現状に甘んじてしまう危険性があるのです。
おうし座の月と理想の強さ
「あるべき状態の維持」とはつまり、「理想の状態」です。牡牛座の月は、時として強力な理想主義の存在を暗示しています。
牡牛座の月にとって、強い理想は諸刃の剣です。理想と現実が噛みあわずに慢性的な不満を抱えつつも、必要な変化を起こせず立ち往生してしまう可能性もあります。
しかし、強い理想が惰性を乗り越える推進力となる可能性も考慮すべきでしょう。
どのような目標であれ、「あるべき状態の実現」にエネルギーを向けはじめた牡牛座の月は強力です。
とすると、牡牛座の月にとって最も重要なのは、
「理想の発見」ではなく
理想へ向けての「一歩を踏み出すこと」なのではないか
そう思えてくるのです。
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photo: Mark Stevens