水星の逆行

水星逆行の活用:逆戻りの理由(2018年)

もくじ

    2018年の水星逆行スケジュール

    3月22日〜4月15日 (牡羊座)

    7月25日〜8月18日 (獅子座)

    11月16日〜12月6日 (射手座から蠍座)

    水星逆行の意味

    水星逆行の時期が再びやってきました。海外では「水星の逆行」現象についての信仰(?)が大分浸透してきており、NYタイムズに水星逆行に関する記事が載ったくらいです。

    水星逆行の時期に関するありふれたアドバイスには「誤解が生じやすいので注意」「問題が起こりやすいので商談にはなるべくサインしないこと」「車・電子機器の破損に注意」「データをバックアップしておくこと」「なるべく旅行をしない」などがあります。

    これらの意見は「コミュニケーション・通信・移動」を司る水星の見かけの運動が逆行する時期なので、水星の働きに何らかの支障が起こる時期である、という考えから来ています。こうした情報の浸透により、占星術には初心者でも「水星の逆行」ときくと漠然とした不安を抱く人も多いのではないでしょうか。

    しかし、水星逆行の続く時期は約3週間。普通の社会人なら何もせずじっとしているわけにはいきませんね。本記事ではいくつか水星逆行に関する別の見方を紹介し、水星逆行の時期をうまく活用する方法について触れてみます。

    水星逆行は、ミスを起こしやすい時期ではない?

    水星の逆行は「ミスや間違いを起こしやすい時期」というよりは、(水星が順行していたときに犯した)「ミスや間違いが明らかになる時期」と考えてみてはどうでしょう。逆行中の水星が名探偵のようにミスの犯行現場(?)に戻り、「これはおかしい」と発見するわけです。

    つまり、普段からあった注意不足やメンテナンスの怠りが明らかになり、「ミスの修正」や「車の修理」などを余儀なくされるわけです。

    水星逆行の元型イメージ:逆戻りの理由

    水星の視運動が1年に3回ほど「逆戻り」するのには他にも意義があるような気がします。ちょっとだけ想像を広げてみましょう。

    古代から「俊足のメルクリウス」として名高い水星。目まぐるしい速さで空を移動する水星が、1年に数度ぴったり移動を止め、3週間ほど逆戻りするその様は、古代人たちの心の目にはどう映ったでしょう。

    水星の速さで3週間というと相当な距離です。その長距離を戻ることに重要な意味があるのでは、と想像できます。

    水星逆行の通過を受ける度数(冒頭の水星逆行スケジュールを参照)は、3週間の間に水星から3回トランジット(順行・逆行・順行)を受けるわけですが、これは今までの考え方・物の見方の変化のプロセスを表すかのようです(自己啓発のプログラムでは「21日間新しいことを続けると習慣化する」とよく言います)。

    例えば3月22日からの水星逆行は牡羊座に起こりますから、活動宮(牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座)に天体をお持ちの方は、その天体の司る事柄に関する考え方を改めたり、新たな発見が必要な時期なのかもしれません。

     

    水星逆行の活用:再び走り出す前の休息と修復

    現代の生活のペースには「絶え間ない加速の連続」という印象があります。テクノロジーが個人と世界を繋ぐことによりビジネスや人間関係の速度も絶えず高速化を遂げています。まさしく「俊足のメルクリウス」の時代です。

    しかし、どれほど時代が加速しても、1年に3度、水星は逆行を止めない。

    それは例えば、再び全力で走り出す前の休息と修復の時期。レーシングカーのピットストップにも似ているような気がします。

    人の心や体にしても然りでしょう。

    誰も、休息と修復なしに走り続けることはできない。

    当たり前の事実ですが、社会が加速すればするほど忘れやすい真実でもあります。

    あなたが水星逆行の時期の活用を求めるのならば、こう考えてみては如何でしょう:

    今日まで全力で走り続けてきた

    これからも全力で走り続けるためには、何が必要だろう

    仕事で働き続けて疲れた体を癒すには

    人付き合いで疲れた神経を修復するには

    毎日の繰り返しで乾いた心の新鮮さを取り戻すには

    何が必要だろう

     

     

    Photo: Juan Lois

    新里ひろき
    新里ひろき

    アメリカ・フロリダ州在住の心理占星家。西洋占星術界の重鎮ノエル・ティルに師事。氏の難解で有名なマスターズ占星術認証コースを最優秀の成績で卒業。日本と英語圏の両方で個人セッションとノエルティル流心理占星術の講師として活動中。

    この記事へのコメント

    1. みみん より:

      水星逆行を初めて知りました。
      私はやぎ座なのですが、これに当たるということですよね?

      年末に彼とお別れをしてしまい、これもコミュニケーションのズレなのかと不安になっています。

      彼はかに座です。

      お互い水星逆行により、影響しているのであれば、順行に戻ればいい方向に向くのでしょうか。。

      1. 新里ひろき より:

        みみんさん コメントありがとうございます。

        水星逆行が始まったのは1月からなので、年末に起こった変化にはおそらく別の要因が関係しているでしょう。

        水星の逆行中に、お互いいろいろと「考え直す」可能性があるかもしれませんね。頑張ってください。

    2. かおるーん より:

      1月に離婚を決断して(実際に押印したのは2月)、ものすごく苦しんで、ちょうど4月末から旅に出た知人がいます。早く立ち直って欲しいと思うのですが、水星の逆行が終わると気持ちの変化はあるでしょうか?

      1. 新里ひろき より:

        水星の逆行は色々と振り返って気持ちの整理をつけるのには適した時期ですね。短期間で完全な回復は無理でしょうが、ある程度の気持ちの変化は期待できると思います。

    3. るり より:

      ここ数週間とてもやる気がなく
      それまで毎日通っていた習い事へも
      行きたくなくなり半引きこもり。

      そしてキッチンのIH調理器が壊れたり…

      予定していた旅行が急用でキャンセル
      になったり。

      夫となんとなく
      コミュニケーション不足だったり

      ふと
      水星逆行が頭をよぎりました。

      今日で水星逆行も終わり明日は満月
      少しずつ気分は晴れるのでしょうか…

      1. 新里ひろき より:

        るりさん こんにちは。水星逆行の時にこうした反応がある場合は、現在の生活からやる気を奪っている何かがあるのではないかと思われます。可能ならば、それをうやむやにせずに解決してしまうことが大切です。

    4. チャン より:

      1月に主人と喧嘩して、別居が4ヶ月続きました。しかし、昨日話し合いをして離婚へと向かうことになりました。

      なかなか結論を出してくれなかった主人なので、こちらが痺れを切らし手紙を出して昨日話し合いの場を設けてもらいました。
      水星逆行期間中の離婚決断でしたが、やはり影響してるのでしょうか?

      1. 新里ひろき より:

        チャンさん こんにちは。

        そうですね、特に水星の逆行トランジットが出生図の天体や軸を通過した場合、話し合いや交渉などの活動が起こりやすいと言えます。順行、逆行、順行と3回水星のトランジットがあるので、トランジット水星から接触を受けるハウスや天体に関した問題について、集中して考えたり解決したりするのに向いている時期です。

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