第7ハウス:社会集団における活躍の始まり
西洋占星術の基礎的考え方のひとつに、地平線下(1〜6)のハウスは個人的成長を表し、地平線上(7〜12)のハウスは社会集団の中における成長を表すというものがあります。
1ハウス【自己像の形成】から6ハウス【協調・謙虚さの習得】までの試練を乗り越えた結果、社会集団の一員として活躍を始める準備ができた、と考えることもできます。
この考え方は、特に運行速度の遅い天体(土星〜冥王星)が6ハウスから7ハウスに移行する時(つまり、DSC軸を通過する時)に重要です。
「ここ数年の準備を通じて、私が公(社会集団)に表現する準備ができたものは何だろう」と自問すると、意外とはっきり答が出てくるかもしれません。
7ハウスの緊張が示唆する問題と、その克服
出生図内において7ハウスの支配星や7ハウス内の天体が緊張下にある場合、人間関係や集団生活において学ぶべき重要な課題を表している事がよくあります。
例えば、7ハウスの天体は時として4ハウスや10ハウス【両親軸】の天体からスクエアを受けます。このパターンは、両親から学んだ人間関係の見本に大きな問題があった可能性を示唆しています。
成人後の人間関係に、両親の不幸な見本を持ち込まないようにするためには、意識的に「古いパターンの繰り返し」となる自分の考え方や言動に注意することが必要です。
例えば、極端に批判的な両親の下に育った人は、自分自身の中に流れ続ける批判的な「録音テープ」の存在に注意しないと、成人後の人間関係においても自分か相手(多くの場合は両方)を密かに批判し続けることになるでしょう。
意図的によりポジティブな「新しい録音」を脳内に流し始めるには努力が必要ですが、根気よく続けるうちに古い考え方を捨てる事も可能になり、それがより良好な人間関係につながることは自明でしょう。
第1ハウスと第7ハウスの相対が示すもの
【エゴ・自己像】を象徴する第1ハウスは、常に【人間関係と公衆】を表す第7ハウスと相対しています。この両ハウスの原理的な対立について考える時、深い気づきがあります。
大切な相手との関係を通じてしかわからない
自分についての新たな発見がある
相手や社会に尽くすことから定まってくる
自分らしさがある
親密な関係や社会への貢献という鏡を通してのみ
自分の存在意義が見つかる
人は、自分一人で個性を磨く事はできない。出生図内における第1ハウスと第7ハウスの相対は、そう物語っているかのようにも見えるのです
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Photo: Luis Argerich