前回の記事「占星術における心理欲求理論」では、ノエル・ティル流に10天体の定義を行いました。今回は「太陽」の定義についてもう少し深く触れてみます。
自己実現の為の燃料・エネルギー
従来の心理占星術においては「自我(エゴ)」もしくは「自我の男性面」として定義される事が多い太陽ですが、ティル流占星術では太陽を「欲求充足のために使う燃料・エネルギー」として定義します。
牡羊座の太陽を持つ人は牡羊座の燃料を使って活動し、牡牛座の太陽であれば、牡牛座のエネルギーを用いて欲求充足を果たしている、という風に考えます。
「燃料」「エネルギー」という定義から、太陽について以下の二つの考えが生まれます:
1)活力(やる気、充足感)を得る為に必要な経験
2)欲求充足に用いるエネルギー
この二つの考えを、地水火風の4つのエレメントに応用して考えてみます。
火の星座(牡羊・獅子・射手)の太陽
我の強いエネルギー。人から認められる、尊敬・尊重される、勝利・達成する、リスクを冒す、冒険心を刺激する、大胆に自己表現する、等といった体験が活力につながります。
自己主張、リーダーシップ、行動力、独立精神等のエネルギーを使用して欲求充足をめざします。
地の星座(山羊・牡牛・乙女)の太陽
現実的なエネルギー。目に見える何か(例:地位、財産、ビジネス、作品、団体など)を実現する、築き上げる、永続させる。責任ある立場につく。技術を高めてマスターする。価値あるものを手に入れる、又は作り上げる、等の体験が活力を生みます。
冷静な観察力、目標と野心、地道な努力、細心の配慮、組織的能力、責任感といったエネルギーを使用して欲求充足をめざします。
風の星座(天秤・水瓶・双子)の太陽
社交的で理知的なエネルギー。人と仲良くなる、好かれる、人気者になる。新しい事を学ぶ、教える。状況を分析する。大局的な視点を持つ。集団に属する、社会に影響を与える。人から感謝される事をする、等の体験が活力につながります。
コミュニケーション能力、社交性、人脈、知識、知性、分析力、革新性といったエネルギーを使用して欲求充足をめざします。
水の星座(蟹・蠍・魚)の太陽
情感的で神秘的なエネルギー。何かを愛情込めて育てる。自己の内面を分かち合う。深い感情を味わう。夢や幻想に触れる。信頼する。人を赦す。安心して無防備な自分を見せられる人を見つける、等の体験が活力につながります。
他者への共感と理解、愛情、直感、想像力、信念(信仰)、感受性といったエネルギーを使用して欲求充足をめざします。
あなたのホロスコープにおける太陽
出生図における太陽は、あなたが「活きている」と感じるために必要なエネルギーを表しています。心理占星術においては、太陽星座に加えて、太陽の位置するハウスや、太陽と角度(アスペクト)をとっている天体の影響も考慮します。
「私の燃料って何なのだろう」「どうすればエネルギー回復できるのだろう」といった視点から、ご自分の「太陽」をもう一度ご覧になってみては如何でしょうか。